箱型絵画作品「9次元鳥獣戯画の方程式６８号」

ノープランで描き進めています。こんな感じ。(part4)リス1「クーマさん、どこから始めましょうか。」クーマ「はじめから始めるのだ。そして終わるところまでは終わるな。」リス１「デコヒーレントするまで、ってことですかね。」真空キャラ123「要するに始まりがあるのかないのか、そこが問題だにゃあ。」コリス「底があるのか抜けているのか、縁があるのかないのか、境界があるのかないのか。」真空キャラ123「自然数や数直線の上で考えているから、四角い平面上で考えているから、始まりと終わりがあるように思える。」コリス「昔は自然数しかなかったけど、虚数もある。昔は物質しかなかったけど、反物質もある。物質の秩序に目を奪われがちだけど、宇宙には物質は4、5%くらいしかない。しかも真空が全宇宙を呑み込んでしまうこともあるらしい。」真空キャラ123「天動説は地動説に代わった。物質のもとは、粒というより波になっている。そのたびに世界認識は塗り替えられていく。」コリス「別に天動説だって生きるのに支障はない。ただ認識の座標軸を替えているのは事実だ。」真空キャラ123「現在の定説だってひっくり返るかもしれないんだしね。」コリス「身辺感覚の基準の呪縛にとらわれるわけだけど、身近な馴染みを超える必要があるようだ。」真空キャラ123「習慣的な地点に留まることなく、世界の深みに分け入ることが、どうやら神の摂理のようだからねえ。」コリス「元来アートは日常的現実に異物や別次元を持ち込む洗練されたやり方(技術)で、たとえば銀行やホテルやオフィスビルのエントランスなどの近代的な建築空間に石や木や金属などの自然物などを持ち込んで、その人工的な単調さや一次元性に足りないものを補う。」真空キャラ123「うんうん、さらには幻想やおぞましいものやエロスや過激なもの、ジャンク、汚物、廃物、バットテイスト、大衆文化などあらゆる欄外を無毒化し衛生昇華して持ち込む。その昔は室内に風景を持ち込むとかね。」コリス「その昔だったらアートの題材とは思われていなかった題材ね。ただし、そのままではなく洗練されたやり方でだ。むき出しの異物やなまものでは、反感を買うだけだから。錆びだらけの鉄のオブジェが公共広場から撤去されたこともある。今や、作品内に汚れや足跡なんかがついていたって、場合によってはむしろいいんだけどね。」真空キャラ123「そういう作法ならね。ホルマリン漬けの動物の作品もあるしね。」コリス「現代アートって何でもありをいかに手際よく取り込むか、ていう術のことだよね。」真空キャラ123「常に別次元が欲しいわけだけど、だから市民権を得たアートは常に乗り越えられる運命にある。先行モードの否定の連続がアートの歴史だ。」コリス「守備範囲にないものが次々に持ち込まれる。これは結局、身体的習慣の乗り越えだよね。」真空キャラ123「ある意味何でも持ち込めて、種々の方法論やモチーフになりうるけれど、どれが真に求められている正解というのでもなく、正解と思うものも惰性的な習慣になるということなんだろうね。」紙製のデザインボードの箱 アクリル絵の具 サイズ63ｃｍ×42ｃｍ×高さ5,5ｃｍ